2008年07月09日

タイ伝統マッサージと足首の捻挫

いまから4年ほど前、タイのワット・ポーでタイ伝統マッサージを学ぶ機会を勤務先から与えていただきました。

「ワット」というのはタイ語で「寺院」を意味し、ワット・ポーでポー寺院(より詳しくは菩提の寺院)という意味になるかと思います。日本でもそうですが昔から寺院というのは学問の中心地でもあり、ワット・ポーでも様々な学術と共に医療の一つとしてマッサージが発達しました。

私が学んだのはいわゆる日本で普通にタイ式マッサージと呼ばれている基礎コースと、その上級コースにあたる種々の痛み等の治療のための手技でした。タイ伝統マッサージにはさりげなく膝関節、股関節等の矯正までもが織り込まれていて一見したところ単なるストレッチにしか見えない技術もあり、非常に巧妙にすべてが組み立てられていました。


接骨院に勤務するものとして特に目をひいたのは、外側のくるぶしの骨(腓骨と呼ばれるものです)の上方(頭の方向)へ向けての調整でした。これも一見すると見逃してしまいそうになるぐらいさりげなく行われているのですが、この操作は足首の捻挫の最後の施術には欠かせない調整だと私は思っています。

足首の捻挫は足を内側にひねってしまうケースが多いのですが、そのために靱帯を通じて腓骨が下方(足の方向)にわずかにズレます。その腓骨の膝側には大腿二頭筋と呼ばれる重要な筋肉がつながっています。その筋肉を通じて捻挫した側の骨盤がさらに引っ張られ、それが骨盤全体のバランスを崩し、脊柱等の歪みを起こし腰、胸、肩、首、そして頭の骨までズレてきます。

そこまで複雑に考えなくても、外くるぶしが通常より下にズレていると足を内側にひねってしまいやすくなることは容易に想像できると思います。いわゆる捻挫がクセになるという状況の一つです。足にある小さな骨のズレを調整することも必要ですが、再発予防にはまず腓骨の調整が最重要だと思っています。

この腓骨という骨は足の関節を作っている骨の一つですが、この関節(足関節)をきちんと治しておかないと捻挫を繰り返したり、骨盤まで影響するとギックリ腰を繰り返したりするようになります。例えばギックリ腰の場合、一度治してもこれまでのズレた状態で周りの筋肉等が落ち着いてしまっているため再度ズレやすくなっています。それで何回か施術をする必要があるのですが、足首、腰がともに少しずつ正しい状態で落ち着きはじめるとギックリ腰はほとんど再発しなくなります。年に何回もご来院する必要のあった患者さんが「ちょっと腰危ないかなあ」という感じで実費での施術を1,2回受けられるぐらいまでに良くなってくると施術者としてはとてもやりがいを感じます。ただ経営的には頭を抱えてしまいますが(苦笑)。


話をタイ伝統マッサージに戻すと、タイ滞在時に時間を見つけてタイ伝統マッサージの本を買い集めました。その中に過去のワット・ポーで行われていたマッサージを記していたものがありました。私が学んだ内容とは若干異なりいわゆるタイ的なストレッチが豊富でまた押圧する箇所がはるかに多くなっていました。たぶん商業化の過程で危険なストレッチをなくし、また施術時間の関係で押圧箇所を少なくしたものだと思います。

ただどちらの内容でも日本人にとって非常に訴えの多い肩や首の部分のマッサージが明らかに少ないと感じました。もっともタイ人の肩や首がとても軟らかでマッサージの必要がないというわけではないと思います。教えていただいた先生にお聞きしたり、練習時に数人のタイ人の肩・首を拝見してもある意味日本人以上に硬くなっていました。とても不思議であると思っていたのですが、帰国のための飛行機のスケジュールの関係で、半日の空白ができ、その時間を利用してマハーチャイと呼ばれるバンコクの郊外まで小一時間ばかりの列車の旅をしました。その時、私なりに納得する理由を見つけることができました。それをごく簡単に記すと・・・。

今でこそ「マハーチャイ」と言う地名でネットを検索すると旅行記がいくらでも出てきますが、その当時はそのようなものはほとんどなく、実際私がマハーチャイおよびターチン川の対岸のバーンレームへ訪れたときは外国人旅行者等であふれているバンコクとは異なる風景が広がっていました。マハーチャイ側のターチン川に沿ってある市場には小柄なある程度の年齢以上のタイの人々があふれていて、身長の低い私が10センチ以上背が高くなったかと錯覚するぐらいの状態でした(苦笑)。たぶん背丈の高い年代の若者はバンコクへ出て行ってしまっているのではと思ったりしました。そこで思ったのは姿勢および歩き方が日本人とはかなり違うと言うことでした。

軽く前傾姿勢をとり、膝を若干外に向け脚を滑らすように上下動を少なめに歩く人々。その光景は非常に暑い気候とは対照的に静かな印象を受けました。もちろんおばちゃん達の中にはチョコチョコと上下に体を揺すりながら歩く人もいらっしゃいますが、全般的に脚にかなりの負担をかける歩き方でした。たぶんしっかりと固定されている上半身より、動かしかつ緊張してる脚の痛み、疲れが気になると思います。そんな人々のためのマッサージがタイ伝統マッサージじゃないかとその時思いました。バンコクにいる若者は生活習慣もどんどん変わってきてるだろうしパソコンも使うだろうしこれからはタイのマッサージも時代に合わせて変わってくると思います。


ひるがえって日本の医療ですが、いわゆる整形外科は基本的には西洋の人々のための医学から出発しています。かつて彼らと日本人は食生活も違えば生活習慣も大きく違っていました。一日中靴を履いていて、椅子に座る生活。最近の整形外科はどのような文化・背景の人にとっても共通な体の状態に対する治療と言うことになってきていますが、少なくとも日本人に焦点を絞った医学ではありません。そこにはやはり溝があると思います。また人種の坩堝と言われるアメリカでは民間療法が盛んだと聞きます。これは単に健康保険制度の違いによるものだけではないと思います。

スポーツ医学といえばアメリカが中心になっていますが、例えば日本のアスリートにとってはやはり「微調整」が必要だと思います。そのまま適用すると、その医学に適した体質のアスリートだけが大きく恩恵を受け、日本人であるということの利点をあまり生かせないと思います。私自身は学生時代陸上部に属し箱根駅伝出場を夢見て予選会ゴールの大井税関前で先輩のサポート(苦笑)などをしていたこともあって特にマラソンの小出義雄監督を尊敬しているのですが、その監督がひじきや納豆について触れていらっしゃるのを読むと嬉しくなってきます。小出監督は別のところでひじきを粉末にするということもおっしゃっていたようですが。
http://www.koidekantoku.com/bk_manu/06.html

接骨院というのはかつては健康保険制度の下、多くの日本人の健康のサポートを行ってきました。人間の体を扱う技術ですから保険制度という人為的な枠とは無関係に日本の医療として発展してきたと思います。また、これまでは西洋医学の想定する体の状態と、実際の日本人の体の状態との微妙な差について行政側は国民の健康増進を第一に考え保険制度を弾力的に運用してきたような気がします。しかし残念ながら次第に西洋医学の枠における厳密な運用方向に向かっているとしか考えられない状況になってきました。接骨院としては様々な点で困難な時代ですが、そこに勤務するものとして国民の健康の向上および公共の福祉の増進に微力ながら寄与できればと思っています。

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2008年05月15日

礒谷式力学療法

一つ前の日記の続きです。

礒谷式力学療法というのは、京都で接骨院を開業なさっていた柔道整復師(柔整師)の礒谷先生が始められた療法で、股関節の転位に着目したものです。20年ほど前に私が施術をお願いしたときは、医師、鍼灸師等の方々4、5人で施術をされていました。

初回はレントゲン撮影をしたり、日常動作についてのビデオを見たりと盛りだくさんで時間がかかるのですが、通常は受付で施術代(自由診療なのでそれなりにしますが・・・)を払って待っていると、例えば礒谷先生なら「おまっとうさん!」と呼んでいただいて転位の矯正を受け、次に自分に必要な座布団の枚数を告げてストレッチのポーズを作ってもらいます。その後は各々が自由に下肢の屈伸運動をするといった感じで、最後の運動を除いて20分ぐらいの施術でした。いつ行っても人であふれかえっていて、壁に向かって体操している人たちがずらりと並んでいる状態でした。

「奇跡の礒谷療法」という本を読み私はこの療法を知ったのですが、この手の骨格矯正は初めてだったので何もかもが目新しく、また初回時の礒谷先生の話が面白かったので、骨格矯正にすっかり魅せられてしまいました。その時のお話の一つに「身長が伸びる」ということがありました。成長が止まっている人の身長が伸びるというのはとても不思議なことで特に印象に残りました。

その後も、様々な手技療法を受けたのですが、それらの手技療法の創始者の大半は柔整師であったり武道家から柔整師になられた方々でした。良く考えてみると当たり前のことですが、毎日多くの負傷者の治療を行っているのは接骨院であり、また施術や治療の自由度の高さは必ずしも西洋医学にとらわれる必要のない柔整師が臨床の現場から様々な療法を生み出す、というのは自然なことだったと思います。その結果、「柔術」から生まれた日本の医術は、西洋医学を取り入れつつ膨大な臨床を経て柔道整復術と呼ばれる東洋医学の一つとなってきたのではと思っています。そして現在も日々新たなワザが生み出されているものと思います。

東洋医学と言えば、日本人の私達の想像するものは中国の医学(漢方薬や鍼や灸)になる場合が多いのですが、前回記したWHOの報告書ではないですが、視点をヨーロッパやアフリカ、中東に移してみると日本にのみある療法、つまり東洋人である日本人相手に施術を繰り返すことで生まれてきた療法は間違いなく東洋医学になると思います。その療法は当然のことながら日本人の体質、生活様式によって生じた身体の問題を解決する内容になっているはずです。

柔道整復術のある手技は現行の健康保険制度上の適用を受け保険治療になり、またそこからはみ出してしまったものは上記の礒谷式力学療法のように自由診療になっているのが現状だと思います。もっとも礒谷式力学療法が柔道整復術の一つであるかどうかについては色々な意見があるとは思いますが・・・。


さて、昔も今も接骨院に多くの負傷した人々がいらっしゃるわけですが、本当に色々な状態の方がいます。保険適用ということからいうと「骨折・脱臼・打撲・捻挫」になりますが、当たり前のことですが患者さんはそのような保険適用の分類など全く無関係にご来院なさいます。

健康保険制度上の適用というのは人為的にその範囲を決めているものなので、実際の現場ではそれにぴったり当てはまる負傷というのはあまりありません。私も施術者としての経験を積むにしたがって典型例がいかに少ないかということが分かってきました。だんだんと負傷するその背景の違いを感じ取れるようになってくるからです。

ただ例えば骨盤の調整ということを、保険治療を行っている患者さんに行うと混合診療になってしまうため、やむを得ず施術前または後にサービスという形で行うことになります。そうすると一人の患者さんに30分、40分と時間を費やすことになります。しかしここでその分を自由診療にしてしまうと混合診療になり保険の請求ができなくなり全額自費になってしまいます。

では混合診療の解禁は賛成なのかと言われれば、私としては実は反対です。それについては長くなるのでここでは記しませんが、ただ保険適用の範囲の決め方が間違っているのではないか、日本人の文化や体質を無視して決められているのではないか、といつも思っています。

そういったことをつくづく感じたのは、4年ほど前に勤務先からタイのバンコクにタイマッサージを学んできてくださいと派遣されたときです。
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2008年04月08日

WHOの文書

礒谷先生のことを書こうかと思ったのですが、その前にちょっと寄り道をします(苦笑)。

2001年のWHOの報告書である「Legal Status of Traditional Medicine and Complementary/Alternative Medicine: A Worldwide Review」(伝統医学と補完/代替医学の法的状況:世界的な調査)を振り返ってみました。これは柔道整復(柔道セラピー:Judo therapy)という言葉がWHOの文書中に出たということで話題なったものです。ただ、この文書はあくまで調査資料であり、WHOの正式文書ではないということです。

この報告書によって日本には柔道整復というものが存在し、広く行われていることが世界的に知られるようになりました。以下のリンクで実物を見ることができます。

http://whqlibdoc.who.int/hq/2001/WHO_EDM_TRM_2001.2.pdf

この文書は各国別に、薬学も含めた伝統補完代替医学がどのような法的状況にあるか現代(西洋)医学との関係を交えて報告がなされています。他の国の状況を参考にするときの資料にしてほしいということのようです。

以下、日本についての報告中、柔道整復に関する部分を訳しました。「背景」「統計」「法的規制状況」「教育と訓練」「保険適用」となっています。サッと訳したので細かい点はご勘弁を(苦笑)。年代的に首をひねりたくなるような内容もありますがそのまま訳しました。

-------------------訳ここから-------------------
背景

 日本での伝統医学は二つの大きなグループに分類できる。それは漢方医学と日本固有の伝統医学である。3世紀から8世紀の間に日本にもたらされた伝統的な中国医学は日本人に合うように改変され、漢方医学と呼ばれるものとなった。日本に導入されてから1875年に西洋医学によって取って代わられるまでの約10世紀の間、漢方医学は日本の中心的な医学であった。

 1886年の明治維新に続いて新たに成立した日本政府は、ドイツ西洋医学を漢方医学の上位の正式なものとした。1885年以降新しい医師は西洋医学のみで養成され、その結果、漢方医学はほとんど姿を消すことになった。1920年までには漢方医学をおこなっていた医師は100人にも満たなかったが、第二次世界大戦後、人々の漢方医学に対する関心が高まり、今日では盛んにおこなわれている。

 はり、きゅう、日本の伝統的マッサージ・指圧、柔道整復術(Judotherapy)も日本では広くおこなわれている。


統計

 1998年の・・・
(中略)

 268611人の登録西洋医師に加え、1998年末の登録医療従事者は以下の通りである。はり師69236人、きゅう師67746人、マッサージ師94655人、柔道整復師(judutherapist)29087人。また1998年末では125953人の薬剤師。


法的規制状況

 1948年の・・・
(中略)

 柔道整復師は1970年の柔道整復師法19号によって規制されている。第3条の規定により、柔道整復師として認定されるには、志願者は国の柔道整復師試験に合格し厚生省から免許を取得しなければならない。第12条では、志願者は1947年制定の学校教育法26号の56条に規定される大学入学資格があるもので、文部科学省に認可された学校、または厚生省の認可した訓練機関で3年以上学び、解剖学、生理学、病理学、衛生学を含んだ柔道整復師になるために必要とされる知識と技能を習得したものでなければならないとされている。


教育と訓練

 2000年の時点で・・・
(中略)

 25の学校および訓練機関で柔道整復についての3年間の課程が提供されている。

(以下この項略)


保険適用

 2000年4月現在・・・
(中略)

 はり、きゅう、日本の伝統マッサージ、柔道整復もまた国民健康保険の適用となっている。
-------------------訳ここまで-------------------

以上です。

単なる私の予想ですが、この文書が出たとき、海外の医療制度を担当する人々や研究者の間で、「ハイテク」日本で広く行われているJudo therapyって何だ?という声が上がったのではと思います。
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2008年03月28日

礒谷公良先生

翌日、Aさん宅に出張へ伺ったところ「昨日腰を調整してもらったら娘の身長が数センチ伸びたの」と言われました。


骨盤が歪むとその歪みをカバーするために体のあちこちがずれてきます。普通は骨盤を治しただけでは例えば腰椎の歪みは余り取れません。全体が歪んだ状態で固まっていますから。したがって骨盤を調整しただけではすぐに体全体がシャキーンとなって身長が伸びたりすることはあまりありません。

昔からぎっくり腰を繰り返してきた方の腰椎は、下から来る歪みをなんとかカバーしようとのたうち回っているようにズレが激しくなっていて、当然その周りに付いている筋肉はそこかしこに硬結を作っています。骨盤だけを調整しても周りの「悪い」状態に引っ張られて再度歪んできます。また歪んだ状態で筋肉が鍛えられているので、そのアンバランスも取っていく必要があります。初めてぎっくり腰になった患者さんは短期間に非常に「キレイ」に治りますが、何度も繰り返してきた場合は非常に手間がかかります。

数ヶ月前に大学生の女性が初めてぎっくり腰になり、下肢にしびれが出て整形外科でヘルニアと診断されましたが数回の骨盤調整だけであっさり治りました。何でもそうですが早期発見早期治療が大切なポイントだと思います。


話を元に戻して、「身長が伸びる」という言葉を聞いて礒谷式力学療法(いそがいしきりきがくりょうほう)の創始者の礒谷公良先生のことを思い出しました。私が患者として礒谷公良先生にお会いしたのは20年以上前のことでした。
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2008年03月21日

はじめまして

今日から一ヶ月ほど担当します「杜の都整骨院ほぐし屋本舗二日町」の頼藤です。
よろしくお願いいたします。

杜の都整骨院ほぐし屋本舗二日町」と非常に長い名前ですが、保険治療を行う整骨院部門の「杜の都整骨院」と、”ほぐし”やリフレクソロジー等のメニューを提供する「ほぐし屋本舗二日町」が合わさってできている院名です。

立地は仙台市の官公庁街にあり、客層のバラエティーさは随一だと思っています。
また実費による出張の施術もあり、なかなか得難い体験をすることもあります。いろんな意味で・・・(苦笑)。


さて、数週間ほど前のこと、毎日のように出張へお伺いしているAさん宅での出来事です。
Aさんの施術終了後、「娘の腰をみていただけませんか」とのことでした。

拝見すると、腰椎が左に凸になるように湾曲し骨盤のズレがあったので、ひとまずパッパッと骨盤を調整しました。すると、腰椎の異常な湾曲もその場でなくなりました。「小学校の高学年だとまだまだ関節が柔らかく、骨盤を調整しただけでその影響がすぐに腰椎までつたわるなあ」と思いました。その時は次の予約が詰まっていましたのですぐに院に戻りました。

翌日、Aさんからその腰の施術結果について面白いお話を聞くことになり、「伝統医療」「日本の医療保険制度」等について色々と考えることになりました。

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2007年12月10日

『開業に至るまでの道のり』開院から現在まで

だいぶ間が空きましたが今回で最後です。
開業から現在までを書こうと思います。


開業から現在までといっても、具体的に生々しい数字をここで出すのはどうかと思うので、問題無い範囲で書かせてもらいます。


開業が平成19年4月なので、現在までで8ヶ月ほど経過しました。
現在のカルテナンバーは350番を越えたところです。
住宅地で人通りが少ないという立地を考えると、順調に伸びていると思います。
現在では新患ラッシュも落ち着いてきました。


以前、雇われて働いている時と業務内容的には変わらないのですが、実際にオーナー院長として働くと以前より精神的に追い詰められることが多くありました。
最初、患者さんが定着せずにヒマな時間帯があると、とにかく焦ります。
焦ったところで患者さんが来るわけでは無いのですが、焦燥感を強く感じてイライラすることも多かったです。

患者さんの前ではそのような焦りを出さないように注意していましたが、高齢者の方々から励まされることもありました。
さすが、人生の達人たちです。何気ないことから察してしまうのですね。

患者さん達は見ていないようで色々と見ているものだと再認識しました。
皆さんも気をつけましょう。


まだ1年も経っていないので書くことは少ないのですが、現在の保険別の来院割合を書きます。
開業前の予想では、

・比較的古い住宅地
・当時は高級住宅地であった
・高齢者人口割合が大きい
・中学、高校が近い

というような要素から、
国保・老健の割合が多く、午前中は高齢者のラッシュ・夕方は学生のラッシュが見込めるのではないか?との予想を立てていました。

実際の保険種別の来院比率は

社保:24%
国保:33%
組合:18%
老人:12%
共済:13%

と、なっています。(H19年11月)
予想から大きくは外れていない結果になりました。

時間帯別の来院では、午前中に高齢者が多いのは予想通りでしたが、夕方の学生の定着がまだまだ悪い状態です。
これからの課題として取り組まなければならない所ですね。

時間的・金銭的に余裕があり、じっくりと治療に専念してくれる方が多く、継続率はとても良いのが嬉しい誤算でした。



今年も残りわずかですね。
来年は整骨院がどのように変化していくか楽しみです。

『どのような結果を求めて、何をしていくか?』
『現在の成果は何をした結果か?』

この2つを常に考えながら来年も頑張っていこうと思います。


これから開業される先生方は、早め早めの行動(特に資金調達と業者打合せは!)と、結果を見据えた上での行動、を念頭に頑張ってください!

若輩者が偉そうに語ってしまいましたが、どうかご容赦ください。



道白 大輔
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2007年11月27日

『開業に至るまでの道のり』治療院の設備と広告

今回は『治療院の設備と広告』です。

ここ5〜6年で柔道整復師業界は随分と様変わりしまして、雨後の竹の子のごとく整骨院が増えてきています。(私の整骨院もその竹の子の一つですが。)

そんな状況の中で、自分の整骨院を目立たせるには何をしたら良いのでしょう。
特殊な技術をもっている先生なら迷うことは無いでしょうが、私のような凡人は治療院の設備で差別化を図るのも一つの手だと思います。

私の整骨院の設備は
・大型低周波
・US-750(超音波)
・ES-520(ハイボルテージ)
・低反発ベッド
・鍼灸
・ウェイトトレーニングマシン
・DIET-END(ブルブルマシン)



偉そうに差別化と言ったわりには特別変わったものは導入していませんが・・・。
ウェイトマシン・DIET-END・低反発ベッドくらいでしょうか。


US-750とES-520に関しては、限られた時間の中で治療効果を上げるために導入。

ウェイトトレーニングマシンは、リハビリや学生のアスリートのために

DIET-END(ブルブルマシン)は整骨院に対して不安を持っている人(案外と多いんですよ。)が治療目的以外でも気軽に来院できるように導入しました。

低反発ベッドは施術の際に、ベッドからの反発力が患者さんの負担にならないように導入。


治療方針・立地条件・施術者のポリシー・周りの需要などによって設備は大きく変わってくると思います。
また、『整骨院はこうでなきゃダメ!』というものは無いと思います。
柔整師の社会的な在り方が変わってきている昨今では、整骨院の設備や外観も変化するのは至極当然だとも思います


上記のように良い施術環境を整えても、それを知ってもらわないことには話しになりません。そこで重要になってくるのが広告戦略です。

私が整骨院を作るうえで、まず『ここに整骨院が出来るんだ。』という意識を地域の住民に持ってもらうことを考えました。

皆さんはテナントなどが工事をしていると気になりませんか?
そうです。工事しているという状況は歩行者や住民から注目を浴びる良い期間なのです。

私の整骨院が工事に入る時に、まず最初に『整骨院の看板』を掲げたかったのですが、日程が合わずに断念。
その代わりに目立つところに『どうはく鍼灸整骨院 4/9 OPEN』と張り紙をしました。
それを見て工事中から興味を持って覗いていく人がたくさんいました。


そしてポスティングを3,000枚。
新聞の折込みでは全ての住宅を網羅できないのでポスティングにしました。
3,000枚なのでそう広い範囲には配れませんでしたが、宣伝効果は十分にありました。


あとOPEN前にやったことといえば、町内会長・班長・老人会・地域の顔役・学校関係への挨拶周りくらいです。
私のところは大家さんが全面的に協力してくださったので、とてもスムーズにできたのが助かりました。


私にとって広告は
@知ってもらう(認知してもらう)
A興味を持ってもらう
B魅力を感じてもらう(来院する気にさせる)


上記の3点を念頭に考えています。

場所や業務形態によって広告戦略は変わってくると思いますが、この3点をポイントにしていけば良いのではないでしょうか。




次回は開院から現在までをお送りします。

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2007年11月22日

『開業に至るまでの道のり』資金繰り編

今回は資金繰りについてです。

治療院を開設するのに掛かる費用は
・テナントの契約(敷金・礼金・前家賃等)
・テナントの改装費(内装等)
・設備費(治療機器など)
・運転資金

と、こんなもんでしょうか。
地域によっては少なくなってきましたが、仙台ではテナントを借りるのに敷金で家賃の半年分、場合によっては1年分などという物件があります。
また、テナントの状態によっては内装工事にかかる金額も跳ね上がります。
治療機器はリースにするとしても、経営が安定するまでの運転資金もかかります。

すべて自己資金からまかなえればベストなのですが、私は国民金融公庫に融資をお願いしました。

公庫からの借入れはまず、企画書を作成して公庫に持ち込むところから始まります。
その企画書を審査して、内容に説得力があり問題が無ければ、借入れ審査に入ります。

審査に時間がかかりすぎると、狙っていたテナントを他の人に取られてしまったり、不動産屋と揉める原因にもなりますので、企画書の内容をしっかりと作り上げ、期間に余裕をもって融資の相談を受けることをお勧めします。


期間に余裕を持ってといえば、私の治療院も融資が下りるのを待たずに内装工事に入りました。
内装工事にかかる期間を考えると、融資が下りるのを待っていられない状態でした。
公庫の審査がダメだったらと考えると・・・・・。

開業するには勢いも大切だということですね!



開業して、その月から黒字経営なのが理想的ですが、なかなかそうもいかないものです。

地代、家賃・人件費・光熱費・材料費(テーピング等の仕入れ)・・・・。
出ていくお金は予想できても、入ってくるお金は予想できないのが難しいところ。
収入の予想ができないのはいつまで経っても同じですが、開院当初は収入が安定せずに出費のほうが多くなりがちです。

保険収入が入金されるまでの期間も計算しなければなりません。
運転資金としての公庫での借入れは、予想される出費(経費)の3カ月分を目安に計算されるようです。
しかし、この3ヶ月分というのはあくまで経費なので、経営者の生活費は含まれていません。(もちろん従業員の給与は含む。)
自己資金&融資額がギリギリだと生活に困ることになりかねません。
自己資金の中から自分の生活費は別によけておいたほうが良いでしょう。


あと、整骨院を開業する際には色々な助成金も利用できるようです。
開業をするときには社労士さんに相談してみてください。



次回は治療院の設備と『広告』についてです。
posted by やわら at 18:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月15日

『開業に至るまでの道のり』

皆さん、こんにちは。

どうはく鍼灸整骨院院長の道白です。
今年の4月に開業したばかりの新米経営者です。

今回から4回に亘って開業に至るまでを書いていきたいと思います。


このブログを読んでいる方の中にも、将来の独立を目指して頑張っている先生方が多いと思います。
しかし、開業するには具体的に何をやっていけば良いか知っていますか?
私の場合、開業するという現実が目の前に来るまで知らないことばかりでした。
今思うと、よく開業にこぎつけることが出来たものだと思います。

簡単に開業までの流れを書いてみましょう。

@ 場所の選択(テナント探し)
A 資金繰り
B 工事業者の決定&日程の調整
C 取引き業者の決定
D 広告戦略
E 開業


という感じでしょうか。
だいたい、皆さんが想像した通りだと思います。

この中で最も難航したのが@とAです。
すでに開業されている先輩先生方も同様だったのではないでしょうか?


今回は『場所の選択』について書いていきましょう。

上にも書きましたが、とても難航しました。
良い地域には空きテナントが無く、見付けたと思ったら競合店があり・・・。
それこそ、寝る間も惜しんで走り回りました。
普段、何気なく生活している時には良さそうな物件が目に入るのですが、実際に探してみると見付からない見付からない・・・。

私が開業場所を探す上で重視したのは
1、 高齢者人口
2、 学校の有無(中学・高校)
3、 競合店の有無


上記の3つです。
1、高齢者人口:外傷は少ないが日常的に痛みを訴えやすく、良い患者さんになりうる。
2、学校の有無:部活動により、常に外傷を抱えている。また、コンディショニングを目的に継続する患者さんになりうる。
3、競合店の有無:やはり、競合店は無いほうが良いです。

開業する上で自分の技術に自信が無いわけではありませんが、競合店が無いに越したことはありませんよね?
人によっては『良い施術をしていれば患者さんは集まってくる。他の整骨院は関係ない!』という先生方もいるでしょう。
実際にそういうアドバイスをしてくださる先生もいらっしゃいました。
しかし、何百万円という借金をして開業するのですから少しでも不安要素は消しておきたいものです。


と、いうわけで3つほどの候補地を見付け、その中でも条件の良さそうな現在の場所に開業することに決めました。

最終的な決め手は、敷金が掛からないという点でした。
まぁ、その分内装費がかかりましたが・・・・。


次回は、『資金繰り』についてです。
posted by やわら at 11:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月30日

達人への道!?“はり・きゅう”セラピー

整骨院ブログ・おしょー☆編』もようやく最終回となりました。

 ここ、東北の秋!といえば、紅葉芋煮会です!
 先日、整骨院のみんなで芋煮会をしてまいりました。

 やっぱりいい整骨院づくりには、まずスタッフ同士の“”が大事。できれば上下の関係も超えて、信頼し合える生涯の友のような関係づくりをしたいなー、といつも考えています。

 そんな仲間のいる整骨院なら毎日仕事も楽しくできそうじゃないですか。

「仕事がイヤでイヤでしょうがない」とか「あー仕事行きたくないなー、面倒くさいなー」とか「いつか辞めてやる、こんなトコ」なんて思って勤める整骨院で、“いい治療”なんかできると思いますか?

 ボクは絶対に無理。仕事場=整骨院は常に明るく楽しい雰囲気に包まれていなければ、患者様を癒すパワーなんか生まれません。また明るく楽しい雰囲気のある場所には、自然と人=患者様が集まってくるように思います。

 で、こうしてスタッフ同士の親睦を深め、整骨院のエネルギーを上げていく、というのも大事な仕事なのです。

 あーーー、楽しかった、おいしかった!


 さて、前置きが長くなりましたが、最終回のお話は、鍼灸師に限らず柔道整復師等にも言えることなのですが、どうやって腕を上げて、この道で食べていけるようになるか。そして真の意味でのプロフェッショナルになるか、というお話です。

 鍼灸師も柔道整復師も国家資格なのですが、これを取るにはそれぞれの専門学校(3年)を卒業し、年1回行われる国家試験を合格しなければなりません。

 しかし、合格して晴れて免許持ちになったとしても、よほどの天性の才能でもない限りは、すぐに治療家として活躍できるものではありません。そんなに甘くはないのです。

 多くの人が、最初は免許を取ったことによって、まさに鬼の首でもとったかのごとく、意気揚々と仕事につくわけですが、臨床の現場に出て半年もしないうちに、自分の無力さに打ちひしがれることになります。そしてそこから長い長い「治す悩み」との格闘の日々、もしかしたら一生克服することができないかもしれない厳しい闘いが始まるわけです。

 免許を取ったばかりの治療家の雛たちは、例えるならナスしか売っていない八百屋のようなもの。お客様がキュウリが欲しいと言っても、ナスしか出すものがないのです。こんな八百屋にはお客様は寄りつきませんよね。

 こんな八百屋を繁盛させるには、
@もっと品揃えを充実させてお客様の求めるものが何でも手に入るようにする。 
A品揃えは多くはないが、ここでしか手に入らないといったような希少品を置く。 
Bナスしか置かない。しかしそのナスは世界最高、超一流品。そのナス1本で勝負!

 と、いったところでしょうか。まあ、いろいろ努力が必要なワケで、最終的にはすべての質を高めて、みんなが欲しがるよりよい野菜を売ればいいのです。

治療家も同じようなもの。

よりよい野菜=よりよい治療を提供すればいいのです。努力を重ね経験を積み、様々な疾患に自在に対応できる治療家になるか、

あるいは他ではやっていないような珍しくて効果の高い治療法でも身につけるか、

またあるいは例えば膝の治療であれば世界の誰にも負けない、膝だけはお任せアレ!といった専門性を極めるか、

とまあやや極端ですが、いずれにせよ成長して自分の道をどうにかして立てなければならないわけです。

では、どうやって成長するか?どうすれば治せる治療家になれるのか?

これがまた難しい。治療家として成長するための道はいろいろあるのでしょうが、大まかに分けて次の3コースが考えられるんじゃないでしょうか。

@弟子入りコース
 これぞ!と見初めた先生に弟子入りし、厳しく仕込んでもらう。
A勉強会コース
 各地で行われるセミナーなどの勉強会に参加しまくりスキルアップを図る。
B独学コース
 本やインターネットからの情報を頼りに孤軍奮闘する。


おそらくもっとも効率のいいのは@の弟子入りコースですよね。治療は知識だけではどうにもなりません。技術が大切です。その技術は本や聞いた話からだけではなかなか身につくものではありません。やはり怒鳴られながらも手とり足とり技術指導してもらうのが、達人への最も近道となるでしょう。でも弟子入りでは、仕事をする、というより教えていただくということが本義になりますので、収入はないか、あってもごくわずか。場合によっては指導料を納めることになったりします。

Aの勉強会コースとBの独学コースは師を持たない、という点では、とても近いものがあります。ただ勉強会等では、広くいろいろなことが学べますが、多くが首都圏で行われ、地方ではそうそうあるものではありません。と、なると都会暮らしの方は容易に参加可能かもしれませんが、地方在住の方は会場にたどりつくまでにたくさんの時間と金を費やすことになります。これが厳しい。まず仕事は休めない、新幹線代や飛行機代が受講料よりむしろ高くつく、といった大きな壁が立ちはだかっています。

ましてや、ワタクシめのように所帯持ち、子ども小さい、とかが重なると、それはもう不可能に近いのであります。(もちろんそんな環境でもスーパーに頑張っておられる方に言わせれば「甘い」の一言なのでしょうが)

弟子入りでは家族を養えるほどの収入は得られない、勉強会コースでは平日は仕事、休日は上京して高額な勉強会、どちらもどう考えても難しい。妻を説得し、子どもとのわずかな時間を削って、明日への自分投資に踏み切れないのであります。

そういう中途半端タイプにはBの独学コースしか残されておりません。
これがボクの選んだ道になります。一所懸命やってはおりますが、五里霧中、試行錯誤の、まさに格闘の日々なのであります。
こんなボクに治療される患者様は、雛を育てる親鳥のようなもの。申し訳なくも有難いことです。まだまだ未熟ですが、少なくとも一所懸命、誠心誠意、全身全霊で臨ませていただきますので、一緒に治していってください。

どうやって治せる治療家になるか?」こんな悩みを持っている鍼灸師・柔道整復師は多いと思います。多いどころかみんなそうなのかもしれません。むしろボクのほうが教えていただきたい!四十を過ぎた子持ちの鍼灸師がもっともっとスキルアップして真のスペシャリスト=達人になるにはどうすりゃあいいの!?教えて誰かァ〜〜〜…
posted by やわら at 16:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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